岸田外務大臣は3日午後、外務省で記者団に対し、韓国釜山の日本総領事館の前に慰安婦問題を象徴する少女像が設置されたことへの対抗措置として、一時帰国させている韓国駐在の長嶺大使らを4日、韓国に戻す方針を明らかにした。
慰安婦像の問題が何一つ解決されず、野党の新大統領が誕生すれば、慰安婦合意も解消されかねない状況で、今この時点で大使を戻す必然性はない。新大統領誕生後に戻し外交関係の改善を図る材料とするのが定石である。
今この時点で大使を戻さざるをえないとすれば理由はただ一つ、アメリカからの要請である。
クリントン政権やオバマ政権の実施してきた経済制裁は実質的な成果を上げることができず北朝鮮の核攻撃能力を抑制できなかった。これ以上放置すれば北朝鮮はアメリカ本土を攻撃できる核ミサイルを多数保有することになる。アメリカは決してそれを容認できず、北朝鮮を攻撃する可能性は今迄になく高まっている。
しかもその攻撃は金正恩の命を狙ったり、各施設だけを狙うような部分的なものではなく、全面的な攻撃になる可能性が高い。
部分的な攻撃で北朝鮮の核施設を全て破壊することは不可能だからである。中途半端な攻撃では北朝鮮の反撃を招き韓国や日本に大きな被害がでる可能性が高い。全面的かつ大規模な先制攻撃を実施することが、北朝鮮側の反撃能力を削ぐ可能性が最も高い。
そしてその時期は迫っている。
韓国で親北朝鮮の大統領が誕生する可能性が高いからである。そうなってしまえばアメリカが北朝鮮に手を出す機会は失われてしまう。
5月9日の大統領選挙の日までが一つのタイムリミットである。
また米中の首脳会議が4月の6-7日に実施されるので攻撃するとしてもそれ以後である。
アメリカが北朝鮮を攻撃する上において中国が参戦しないことが絶対条件であり、事前にその調整を済ます必要がある。現在の中国と北朝鮮の関係からみて、アメリカが北朝鮮を攻撃することに中国は反対したとしても、参戦してアメリカと戦う可能性はない。
また、現在実施されている米韓軍事演習は4月30日で終わる。攻撃するとすればこの日までの可能性が高い。一旦演習が終了すればまた軍備を集中する必要があるからである。
4月7日から30日の間に、アメリカ軍が単独で北朝鮮を攻撃し、韓国軍、自衛隊がミサイル攻撃に備えるという形で戦闘が開始される可能性は10%を上回る水準に達している。
この場合、日本にある米国基地、場合によっては東京にも核ミサイルが飛んでくる可能性は無視できない。
しかし、その可能性があってもアメリカが北朝鮮攻撃を止める要因とはなりえない。韓国人や日本人の命より、アメリカの安全の方が重要だからである。
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