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2017年02月27日

日本企業の長時間残業の原因の一つは上司が部下の仕事内容を把握していないことにある。

長時間残業による過労死が問題視され、残業時間制限やプレミアムフライデーの実施等残業を減らす試みが実施されている。

しかし、これだけでは実効はあがらないだろう。残業制限にしても年間720時間で繁忙期には月100時間も許容すれば、残業による弊害は防止でない。プレミアムフライデーにしても元々あったノー残業デーと類似のものであり、働き方を変える力はない


私の経験から言えば、日本企業の残業体質の最大の原因は上司が部下の仕事を把握していないことにある。

残業の多い部署が問題視されているときに、その上司を呼び何故残業が多いのと尋ねても、まともに答えられる上司は少ない。大抵は人手が少ないとか、特定の部下の仕事の効率が悪いとかに終始する。

それではと、個々の部下の仕事内容を説明させると、大まかな仕事の分掌については知っているが、細かい仕事内容についてはあまり知らず、どこに時間がかかっているのかも理解していないことが多い。あんな簡単な仕事に何故そんなに時間がかかるのか、という不満はもっているが、その仕事の内容と方法を細かく分析し、その方法について改善策をアドバイスする能力も知識も無いし、その気もない。

上司はやるべきことを部下に命令し、その結果を評価するのが仕事であり、その仕事をどう処理するかは部下の責任であり、問題なく処理するのが良い部下で、失敗したりムダな残業を必要とするのは無能な部下だという認識しかない。

少なくとも上司は直属の部下の仕事内容、その手順については把握しておくことが必要である。そうでないと部下の能力を正しく評価することも、仕事を効率化することもできない。

ところが、日本の多くの企業では大企業も含めて、部下はその仕事を前任者から引き継ぎ、大抵は過去に前任者が行ってきた仕事の手順を踏襲するだけである。一方上司もまた前任者から引き継ぎをうけるだけであり、部下の仕事内容を分析し細かく理解する努力を払っていない。

部下の仕事内容詳細に理解していなければ、部下の改善努力を理解できず、表面的な結果だけの能力主義に終わり、真の能力主義的な人事評価はできない。

結果的に表面的な人事考課が横行し、上司の顔をうかがうサービス残業や、ゴマスリ方のイエスマンが高評価を獲得することになり、企業全体の能力を低下させている。

まともに部下の能力を評価できる上司が増えれば、ムダな仕事や付き合い残業が減り、企業が効率化され長時間残業は解消されるが、日本的な人事慣行の下では難しい。

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posted by ドクター国松 at 10:28 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本企業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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