日本老年学会などは5日、医療や介護などで「65歳以上」とされている高齢者の定義を「75歳以上」に見直すべきだとする提言を発表した。
大賛成である。
日本の高齢化問題は減少する生産年齢人口が増大する高齢者を支えなければならない、というところからきている。75歳以下の健康な准高齢者が生産年齢に加わることで高齢者問題は解決はしないが、かなり緩和される。
ここで大事なのは、老年学会も指摘しているように、提言を社会保障制度に直接結びつける議論は慎重にするようにすべきだ、ということである。
官僚がやりそうなこととしては、この提言を口実に年金支給開始年齢の延長することだが、いずれはこの方向に進んでもいいが拙速な延長は避けるべきである。
まず、65歳以上の准高齢者が不利益を受けることなく、継続して現役として働ける環境を整備すべきである。その上で年金開始年齢を後にずらせばいい。
現在は、年齢差別が正当化され、60歳以上になれば同じ仕事をしているにも関わらず賃金を減額されるケースが横行している。
また、65歳になれば定年退職という名の下に仕事を奪われている。まずこれらの年齢差別を撤廃し、能力があり働く意欲がある限り、継続して仕事ができるようにすべきである。
准高齢者になっても以前と同じように収入を得ることができて初めて日本の高齢化問題は緩和される。
今回の提言を受けて、急ぐべきは社会保障の見直しではなく、准高齢者への年令差別の撤廃である。
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