日本は少子化の長期化により超高齢社会の到来といえ未曽有の危機に直面している。しかし、その進行は数年単位ではなく数十年単位と緩やかであり、すぐには脅威が現実生活に表れてこない為、直ちに行動するという切迫感が政府にも国民にも乏しい。
既に対策をうてるタイムリミットは迫っており、このまま何の手もうたないと悲惨な未来が待っていることは何度も警告した通りである。
一方で財務省の意向をうけたマスコミ等は「政府は財政の信認を確保するため、2020年度に国と地方を合わせた基礎的財政収支を黒字にする目標を掲げていますが、その達成には社会保障制度のさらなる見直しが避けて通れません。痛みも伴う社会保障の改革をいかに進めていくのか」等々、根本的な問題解決を図るのではなく、増税と社会保障費の改悪により財政を健全化すべきだと主張している。
しかしながら、経済成長や人口構成の変化を前提とせず、年々増加する高齢者と年々減少する労働人口に手をつけないまま、増税による収入増と社会保障の改悪により支出減で対応しようとしても不可能である。
企業経営でもそうだが、現状を変更しないまま、営業強化による売上増や節約による経費削減を図っても10%程度の成果があがればいい方である。
これは国も同じである。税率をどんなに上げても経済が成長しなければ歳入額には限界がある。社会保障費を大幅に削減すれば、破綻する高齢者の増加で今度は他の費用が増加し、歳出を大きく削減することはできない。
少子化を解消できなければ、高齢化問題も財政問題も解決できない。財政健全化に頭を使う暇があれば、少子化問題の解決に頭を使い予算を重点配分すべきである。
今は財政健全化など考えている時ではない。もう日本には10年も時間は残されていない。
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