イソップの寓話にアリとキリギリスという有名な話がある。
夏の間、アリたちは冬の食料を蓄えるために働き続け、キリギリスはバイオリンを弾き、歌を歌って過ごす。やがて冬が来て、キリギリスは食べ物を探すが見つからず、最後にアリたちに乞い、食べ物を分けてもらおうとするが、アリは「夏には歌っていたんだから、冬には踊ったらどうだい?」と食べ物を分けることを拒否し、キリギリスは飢え死んでしまう。
という話である。
戦後の日本国は概ねアリの社会であった。若い内に一生懸命働いておけば、大部分の国民は老後には若い時に貯めた貯金や退職金、年金で老後をゆったりと過ごすことがだきた。
しかし、現在その環境は激変しつつある。若い時に一生懸命身を粉にして働いても、正規社員になれなければ日々の生活で目いっぱいであり貯金はできず、高齢になり働けなくなっても退職金はない。年金も微々たるものである。
幸い正規社員になれたとしても、長時間のサービス残業を強制される割に賃金はそれほど上昇せず、国民負担や税金が増加し続けている為十分な貯金はできない。さらに退職金制度は改悪されている為先輩達に支給されていたような十分な退職金は得られず、年金は改悪されつづけている。
この結果、非正規社員は勿論であるが、正規社員であっても超一流と言われる企業の従業員でない限りは、老後に安定した生活をおくるほどのお金を得ることはできない。
これからの日本人は若い内はアリのように働き、老いて働けなくなるとキリギリスのように飢えて死んでいくアリギリスの運命を甘受することになる。
小泉純一郎と竹中平蔵は、若い時に一生懸命働いても老後生活の目途がたたない、非正規労働者という短命の働きアリを創造したが、今度は安倍晋三が年金制度の改悪により、正規労働者であっても老後の目途が立たないアリギリスの国(安倍のいわゆる美しい国日本)を作り上げようとしている。
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