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2016年11月16日

政府紙幣の発行は日本を立て直す有力な手段の一つである。

日本では国民の高齢化やインフラの老朽化、軍備の増強、原子炉事故の後始末等々、政府のやるべき過大は山積みだが、財政悪化と経済の低迷で財源不足が深刻化している。

これに対する解決策の一つとしてヘリコプターマネーが提唱されている。無利子の永久国債を発行するか政府紙幣を発行するかして調達した資金を何らかの方法で国民にばら撒くという方法である。しかし、これについては財政規律に反するとかハイパーインフレをもたらすといった批判が根強く実現に至る道は遠そうである。

無利子永久債は利息が発生せず返済が不要であっても国にとっては借金であり国の負債を増加させる。しかし、政府紙幣については負債を増加させるものではない。ここでは政府紙幣の発行について考察してみよう。

国が政府紙幣を発行した場合仕訳は次のようになる
            国
借方 政府紙幣   貸方 政府紙幣発行益

政府紙幣と日銀券の交換
            国                    
借方  日銀預金  貸方 政府紙幣       
            日銀
借方 政府紙幣   貸方 政府預金

預金を各種目的に使用
            国
借方 各使用目的  貸方 日銀預金

政府には政府紙幣発行益が生じ、日銀は政府紙幣を担保に日銀券を発行することになる。この場合政府の債務は当然増加せず、返済も利息も発生しない為、財政は悪化しない。

政府紙幣の発行が国民の金融資産に与える影響
個人のものや法人のもの、政府のものを含む日本国のあらゆる富がマネーに反映されていると仮定した場合、政府紙幣の発行で通貨が増えれば、その分通貨一単位が表象する富は減少する。

政府が政府紙幣を発行し、マネーストックに占める政府保有マネーの割合を増加させれば、国民や法人の所有するマネーストックの価値がそれだけ減少することになる。

つまり、政府紙幣の増加は増税で個人や法人から税金を多く徴収するのと同様な効果をもたらす。一方は痛みを伴って金を奪い、もう一方は知らない間に金を奪うという違いがあるにすぎない。

しかし、国民心理に与える影響は大いに異なる。増税の場合人々はしっかりとサイフの紐を占め節約志向に走るが、政府が政府紙幣を発行しても保有する預金額には変化がない為人々が増税時のような節約行動に走ることはない。

次ぎにインフレや円暴落について考えてみよう。
政府紙幣に対する反対意見の最大のものはハイパーインフレや円の暴落を懸念するものである。しかしこれは杞憂にすぎない。ハイパーインフレは通貨発行量のみで発生するものではなく、その発生には必ず国内の生産設備の崩壊が伴っている。需要面の増加だけでなく供給面の不足が伴ってこそハイパーインフレが発生する。

政府紙幣を発行するにしても、その量と使い道を考慮すればハイパーインフレにはならない。現在日本のマネーストックは広義の流動性で1650兆円程度存在する。仮に100兆円政府紙幣を発行したとしても、物価に与える影響は6%程度にすぎない。日銀の目的とする年2%のインフレを政府紙幣で実現すれば毎年30兆円程度の政府紙幣を発行できることになる。当然この程度の通貨量の増加では急激な円暴落に繋がる可能性は極めて低い。

問題は政府紙幣を発行し何に資金を使うかである。ヘリコプターマネーとして何の考えもなくばら撒いていては、反対論者の主張するように政府の倫理観がマヒし財政規律が崩れかねない。


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posted by ドクター国松 at 11:15 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本の将来 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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