黒田日銀総裁が遂に自分の在任中に物価上昇率2%を実現するという看板を下ろした。その原因として挙げられているのが根強い国民のデフレマインドである。
しかし、国民のデフレマインドを助長するような政策ばかり行っているのだからそれは当然の結果である。
国民生活を圧迫し消費意欲を失くさせる政策を大々的に行いながら、片方で形ばかりの賃上げ政策を行う程度では国民が積極的にサイフの紐を緩めることはありえない。
長期化する不景気のさ中で政府が行っているのは増税による財政健全化策ばかりである。これでは経済は停滞し財政も健全化するはずもない。
例えば、少子化対策をうたいながら実際に行っているのは子育家庭への増税ばかりである。
0-15歳の子供がいる家庭での年少扶養控除38万円が廃止され、16-18歳の子供がいる家庭への特定扶養控除は63万円から38万円に減額され、今度は19-22歳の特定扶養控除63万円が廃止されようとしている。
これらは全て子育家庭への増税である。年収600万円の会社員(小学生の子ども1人と妻は扶養の範囲内のパートで働いている)。年少扶養控除廃止により、所得税・住民税は約7万円増税になっている。一方児童手当は、制度変更前の旧児童手当が年6万円、現在の新児童手当は年12万円。改正前後の減税と手当のメリットを比較すると、年1万円手取りが減少している。年収1000万円だと5万円の手取り減となる。子どもの年齢によっては、現在のほうが有利となるケースもあるが、多くの場合、年少扶養控除があったときのほうが家計には有利だった試算結果となった(DIAMOND ONLINE 子どもがいると負担増!?「隠れ増税」を見逃すな! から抜粋)
また、年金改革という名の改悪を続けており、年金額は改革の都度減額され将来はどうなるかわからないという不安を多くの世代に与えている。
90歳の老人でさえ老後不安を抱く状況は高齢者予備軍の40代後半から50代の現役世代にも大きな不安を与えており、その消費意欲を削いでいる。
現在、財政健全化策として実施されている増税や年金の減額はどれもこれも目先の小手先の対策であり、大きなうねりとして押し寄せてくる日本の少子高齢化による嵐を切り抜ける対策にはならず効果はない。
この大嵐を乗り越えるのは少子化対策と経済成長以外にない。小手先の増税や負担増で少子化対策や経済成長を阻害するのは本末転倒である。現在の安倍自民党の政策は目先の財政赤を気にするばかり根本的な対策を怠っているところにある。
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