政府は11日、将来世代の年金水準を確保するため、
高齢者への給付抑制を強化することを柱とした年金
制度改革関連法案を閣議決定した。
物価や賃金の伸びよりも年金給付を低く抑える「マク
ロ経済スライド」はデフレ下で適用されないが、30年
度からデフレ下で見送った分を翌年度以降に繰り越
し、景気が回復した局面でまとめて給付抑制する。
将来世代の年金水準を確保するという名目だが、こ
れを継続すると、将来世代にとっては年金は老後の
生活を維持するという本来の役割を果たせない程低
額になってしまう。
正に本末転倒である。
そもそも年金財源の不足は人口構造の歪みに起因す
るものであり、このような小手先の対策で解消できるも
のではない。
また、このような政策で老後の年金を不安定にする
ことは高齢者だけでなく、中年や若年層にも老後の
不安を煽り消費支出を抑えることになる。
アベノミクスが賃上げに成功したにもかかわらず、個
人消費の増加に繋がらず、景気浮上や物価上昇に成
功しなかったのは、一つは現代日本では賃上げとは無
縁な年金生活者や非正規労働者の消費比率が高いか
らであり、もう一つは老後不安に備え消費が抑えられて
いるからである。
今回の改正が実施されれば、将来の年金減少は確実
なものになり、将来に対する不安がますます助長され、
より多くを老後資金として貯蓄することになり必然的に
個人消費は減少する。
その結果、ますます景気は悪化し税収は伸び悩み、む
しろ年金財政も悪化することになる。
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