しかし、ソ連は崩壊しアメリカが日本の協力を得て対
抗すべき敵は消滅した。
日本はむしろアメリカ企業経済に対するライバルとし
て認識された。その結果がバブルの発生と崩壊に至
るアメリカによるドル円為替と日本の経済政策への干
渉である。
結果的にアメリカは日本経済をアメリカのライバルか
ら突き落とすことに成功した。
その後、中国が台頭しその経済力が日本を上回る規
模に達し、アメリカにとっての日本の重要性はさらに
低下した。今では経済的にはアメリカにとって日本以
上に中国の方が重要である。それはハリウッド映画
の中国重視に露骨に表れている。
一方政治面・軍事面ではアメリカにとって中国が脅威
となりつつある。しかし、かってのソ連と異なり、経済
的にはアメリカと中国は補完関係にあり、全面的に対
立することは望ましくない。
しかも軍事的には、アメリカ本土が火の海になる危険
を犯すことなしには、中国との戦争は決断できない。
中国がアメリカにとって代わる野望を捨て、アメリカが
アジア諸国からの信頼を失わずにすむ方法があれば、
アメリカが東シナ海や南シナ海で中国と妥協することは
それほど難しいことではない。
一方で日本が東シナ海での中国の圧力回避にアメリ
カの助けを必要とするなら、日本がもっと金を出すべ
きである、というのはアメリカの政治家の共通認識に
なりつつある。トランプが大統領にならなくても、アメリ
カで日本の負担を求める声はなくならない。
ソ連と異なり、中国はアメリカにとっての不倶戴天の
敵ではないからである。
日本とアメリカでは、対立するにしても共存するにして
も、軍事的にも経済的にも、中国の脅威度は全く異なる。
日本はアメリカに国防を依存している為、冷戦終了後
大きな犠牲を払ってきた。経済政策や為替政策だけ
でなく、社会制度や法律についてもアメリカから絶えず
干渉を受け、日本政府はその意にしたがってきた。
日本がアメリカの半植民地と言われる所以である。
しかし、中国に対する基本的な立ち位置が異なるアメリ
カと日本は、当然中国に対する対応も異なる。
日本がアメリカの半植民地として、国益よりもアメリカの
利益を優先し、多額の軍事費をアメリカの協力なしには
行使できない中途半端な軍備増強に使うことはもはや
許されない。
日本が独立した国家として独立した外交と独立した軍
事力を持つべきであり、アメリカとの同盟も半植民地と
しての上下関係ではなく、互いの利益に応じて対等の
国家としての同盟にするべきである。
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