国民投票でものごとを決するということは、最も民主
主義的な意思決定だと考えられている。
日本のように国会で十分な議論もされないまま、国
民生活に大きな影響のある事項が決定されるよりは、
国民投票で意思決定に国民が直接参画する方がより
民主主義的な意思決定過程である。
しかし、例えば今回のイギリスのEU脱退のような大
きな変更を国民投票で決することには大きな疑問が
ある。
国民投票は原則1票でも多い方が勝利する。しかし、
これだけの大きな決定を賛成票が1票多いだけで決
定していいのだろうか。
後に禍根を残し、国民の対立が残ることは間違いない。
これは日本での憲法改正の国民投票でも同様である。
これだけ意見が対立し、それぞれの立場の者が自分
達こそ正しいと信じている分野では、少数の格差での
決定では納得できないのが人間の心理である。
国民生活や社会に大きな変更を及ぼす事項を国民投
票で決するには少なくとも60%以上の賛成を必要とす
る、と制度を変更することは、国民投票後の国民の分
裂を防止する上で考慮すべきである。
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