セブン&アイ・ホールディングスの「お家騒動」が表面
化した。鈴木敏文会長(CEO)が提案した、同社傘下
のセブン-イレブン・ジャパンの井阪隆一社長を更迭
する人事案は、賛成が過半数に満たなかったことで、
4月7日に行われた取締役会で否決された。この結果
を受け、鈴木氏は、次の株主総会で会長を辞任し、そ
の後の経営体制には加わらないと、記者会見で表明
した。
妥当な結果である。
鈴木氏は日本型コンビニという事業形態を確立し、
世界に展開した稀有な経営者でることは誰も否定
できない。
しかし、同時に一サラリーマンにすぎないことも事実
である。
敗因の一つと言われているのが、鈴木氏が将来息
子にセブン-イレブン及び、セブン&アイの経営を継
がせようとしたとみられていることがある。
オーナーでもないのに会社を子供に世襲させるとい
うことでは批判が多くなるのは仕方がない。
鈴木氏に限らないが、サラリーマン経営者が社長に
なり成功をおさめ中興の祖などと周囲から持ち上げ
られると、世襲とまではいかなくても、自分の意向を
受け入れるイエスマンを後継者に選び、退任後も影
響力を行使するということが良く見られる。
NECの衰退、パナソニックの危機、シャープの身売
りなどは全てこのような恣意的人事が横行した結果
である。
井阪氏がどの程度能力のある経営者かは知らないが、
鈴木氏を上回るとは思えない。
しかし、鈴木氏が今後も疑似オーナーとして恣意的権
力を行使するよりは、新しいサラリーマン経営者にバト
ンタッチする方が会社経営としては健全である。
会社を自由に扱っていいのは50%以上の株式を所有す
るオーナー経営者だけである。
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