厚生労働省は26日、賃金の下落などに応じ年金額
を引き下げる仕組みの強化を柱とした年金制度改革
関連法案を自民党厚労部会に示し、了承された。
変更案では、物価上昇に比例することになっている
年金額を賃金が物価より下がった場合は減らすよう
に改悪。
デフレ期に適用できなかったマクロ経済スライド分を
繰り越し、賃金や物価が上がった時に引き下げる。
となっている。
これは少子高齢化による年金財源悪化を補てんする
ものであるが、百害あって一利ない改悪である。
まず、賦課方式を採用している限り、このような小手先
の手段を用いても年金財政の改善にはほとんど寄与し
ない。
一方、先行きの年金額が不確定になることで、定年後
の生活プランが立てにくくなり、40代以上の中高年は
消費を減らし老後資金の確保をせざるを得なくなり、
個人消費が大幅に減少し景気の悪化を招く。
また、現在でも年金では生活できず、ある程度の蓄え
を必要とし、蓄えが無く年金額も少ない非正規労働者
は将来の生活保護予備軍と考えられている。
今回の改悪が実施されれば、従来は何とか年金と蓄え
で自活できていた正規社員についても80歳程度で蓄え
が無くなり生活保護に頼らざるを得なくなる。
結果的に、年金支出は減らせても、それ以上に生活保
護費用が増加し財政は却って悪化することになる。
賦課方式の年金制度を継続する唯一の方法は、当面
の不足額を50年程度の長期国債で賄い、50年かけて
少子化対策を実施し、人口構成を改善することである。
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