山形大人文学部の戸室健作准教授は、全国の子育
て世帯の貧困率が過去20年間で倍増し13.8%に達
しているとの研究結果をまとめた。研究結果では、子
育て世帯に限らない全世帯での貧困率も20年間で
18.3%と倍増したことが判明。その原因として非正
規労働者の割合が増えたことを指摘している。
元々、非正規労働は「自由な働き方ができる」として
労働者の利益にもなることが強調され導入されたが、
現実はというと正社員より安い労働力を確保する為
の手段として利用されている。
非正規社員を厚生年金や健康保険等の対象外とし
ている企業も多く、人件費コストは正規社員の1/2以
下ですむため、正社員から非正規社員への切り替え
が進み、今では労働者の4割が非正規社員となって
いる。
この非正規低賃金労働者の増加が、子供の貧困化、
将来貧困高齢者の大量発生をもたらす原因となって
おり、これをこのまま放置することは日本社会の崩壊
に直結する。
この危機を避けるには、低賃金労働者確保の手段と
しての非正規社員の利用を制限する必要がある。
その対策としてはまず、非正規労働者の全てについ
て労働時間に関係なく社会保険制度への加入を義
務づけるべきである。
そうすることで、社会保険逃れの為の非正規化を防
止できる。さらに、同一労働同一賃金を徹底すれば、
非正規労働を本来の労働の多様性という目的に活
用できる。
また、低賃金依存で競争力の無い企業が淘汰される
ことで、日本の大企業も低コスト下請依存の製品に依
存する体質から、革新的な魅力のある製品開発へと
方向転換を余儀なくされ、再び復活する可能性が高
まる。
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