アメリカ大統領選挙の予備選挙がスタートした。
大統領候補の顔ぶれを見るとアメリカ社会も変化した
なと思わざるをえない。
従来アメリカ社会を支えてきたよきアメリカ人を支持
層とするような候補が一人も見当たらない。
まず、民主党の最有力候補であるクリントン氏は、古
き良きアメリカ人に最も近い支持基盤をもっていると
思われるが政治的にはマイナリティである女性である。
サンダース氏はアメリカ社会の二極分化に苦しむ若
者層の指示を受け、クリントン氏を脅かす勢いを示し
たが、社会民主主義を標榜する等、過去のアメリカ政
治から見れば明らかに異端者である。
共和党候補を見ると勝利したクルーズ氏はティーパ
ーティや地動説や進化論を否定する極端な宗教勢
力の支持を受けた保守派であり、本来共和党支持
者の中では少数派である。
トランプ氏は移民制限やイスラム教徒の入国制限、
日本や韓国への防衛ただ乗り論等、従来の共和党
支持者の主張とはかなり異なる奇抜さで支持を集め
ている。
ルピオ氏はキューバ移民のヒスパニックであり、アメ
リカの人口構成の変化を象徴する候補である。
圧倒的優勢と見られたクリントン候補が予想外の苦
戦を強いられている背景には上位10%の世帯の所
得が総所得の50.4%を占める極端な富の二極分
化とヒスパニック等の移民増加に起因するアメリカ
人のいらだちがある。
アメリカ社会は、グローバル資本主義と人種、宗教
対立の世界の中で、かっての鷹揚な移民大国として
の余裕を失いつつある。
戦後日本が依存し続けてきた、保護者としてのアメリ
カはいずれ存在しなくなる。
その時までに自立し、アメリカとの友好ではあるが決
して従属的ではない関係を築くことが必要である。
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