よく世間では、金を持っている高齢者が消費せずに
貯金しているから経済が良くならない、という言葉が
聞かれる。
政府が経済対策として個人向けの給付金のような
ものを実行しようとしても、貯蓄されてしまい経済活
性化には役立たない、というような反対意見がでる。
しかし、経済学を少し学べばならわかることだが、預
貯金はタンス預金と異なり、経済活性化に寄与しない
ものではない。
金融機関がその預貯金を原資に企業に貸し出し、企業
が設備投資にその資金を活用すれば、乗数効果で預
貯金相当分をそのまま消費する以上の経済活性化効
果がある。
しかし、金融機関がその預貯金で国債を買ったり、海外
債券を購入し、その利鞘を稼ぐような取引だけをすれば、
経済活性化にはほとんど寄与しない。
日本郵政銀行や農林中金等は企業に対する貸出比
率が圧倒的に低く、ほとんどが債券運用である。
(国家への貸出金を含む)
経済活性化という観点から考えれば、同額の預金を
しても都銀のような預貸率の高い金融機関と郵便局
や農協のような金融機関を比較すれば、日本経済活
性化の効果は都銀の方が圧倒的に大きい。
地元経済活性化という観点からすると、地元地銀や
信金も預貸率は都銀より低いが、郵便局や農協に
預けるよりはずっといい。
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