マルクスが市資本論で指摘した資本主義の矛盾は、
結果的には共産主義をもたらすことにならなかった。
むしろソビエトは崩壊し、中国という共産主義を標榜す
る国家資本主義国家と一部の小国をのぞき地上から
共産主義は消滅した。
その要因は先進国において国家が主体となり資本家
と労働者の利益を調整する修正資本主義が資本主義
の主流となったからである。
修正資本主義の下で労働者は所得を増やし中流の生
活を謳歌し、資本家は多額の税金を納め貧困層の生活
改善に寄与した。
しかし、今その理想郷は失われてしまった。グローバル
企業が大きな影響力を有するグローバル資本主義に
移行したからである。
グローバル資本主義の時代においては、国家は企業に
対する統制を失った。高い法人税は企業の流出をもたら
し法人税は世界的に低くなり、そのツケは個人に対し消
費税等の形で負担増をもたらした。さらに、低い法人税
でさえ支払わないグローバル企業が増加し、国家は社会
保障等の弱者救済に必要な財源確保のために、消費に
対する増税を行うことで中流以下の国民生活を圧迫した。
グローバル企業においては幹部が多額の報酬を得る
一方で先進国の労働者の賃金は新興国との比較で
むしろ減少した。
その結果、中流階級の没落がアメリカやヨーロッパで
進行し日本もその後を追っている。
グローバル企業を各国政府が統制する仕組みを整備
しないかぎり、グローバル資本主義の発展につれます
ます貧困層が増加しつづけることになる。
はげみになりますので、クリックをお願いします