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2015年06月09日

社会保障は財源が無いからといって減額していいものではない。

財源不足を口実に年金や健保等の社会保障を改悪
する動きが続いている。

社会保障改革と言えば例外なく国民負担の増加と給
付の削減であり、小泉内閣以来改革という言葉のイメ
ージは悪くなるばかりである。

高齢者人口の増加が予想され、社会保障費について
は大幅な増加が予想される。一方で経済成長は期待
できず、このままでは将来社会保障費が賄えない。

だから今の内に社会保障を改革し増加スピードを減速
させたい。というのが財務省を中心とする財政再建派
の考えである。

彼らはそのためには手段を選ばず、国民との過去の約
束を踏みにじり社会保障の改悪を継続しており、マクロ
経済スライドのような論理的には正当化しえない屁理屈
を用いて支給額削減を図っている。

インフレ政策を推進する一方で、マクロ経済スライドで支
給額を減額することの結果は明白である。

元々年金は働けるうちに資金を準備し老後の生活に
備えるための制度である。

しかし、年金制度の改悪は年金からその役割を奪い
つつある。

国民年金は論外だが、厚生年金でも現在では満額で
200万円程度の年収にしかならない。夫婦二人の生
活費は自宅があっても最低月20万円程度は必要だ
から、生活費にも不足し、冠婚葬祭や医療費、交際費
等を賄うには大きく不足している。

インフレと年金改悪、医療改悪がこれ以上続けば、さら
に不足額が増加し、高齢者は生活できなくなり生活保護
になだれ込むことになる。

財源のことだけを考えて社会保障を改悪するのは論外
であり、結果的に財政悪化に繋がる。

無駄な支出を削っても財源不足を賄えず、どうしても減
額がやむを得ないとすれば、新しい高齢者の生活モデル
を提示し、その通り国民が生活できる環境を整備する必
要がある。

それを怠り、社会保障のみを改悪し、国民の国家に対す
る信頼を損ない、高齢者の多くを路頭に迷わせることに
れば、安定した日本社会の基盤となる社会モラルが
崩壊し、日本の荒廃が一挙にすすむことになる。

社会が内部から崩壊するときには、防衛費などいくら
費やしても国家を維持することはできない。

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posted by ドクター国松 at 10:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 財政健全化という病気 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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