国債を中心とする国の負債はGDP対比で231%に
達する。
これに対しては資産を考慮していないとの批判があり、
これ自体は正当な指摘であるが、日本の財政状況が
悪いことは否定できない。
増税論者はこの解決策として消費税の増税を主張し、
35%以上の消費税率で財政問題の解消が可能とし
ている。
確かに、今後の消費税増税が従来通り1%増税で
2.5兆円の税収を得ることが可能なら、財政再建も
夢ではない。しかし、これは現実的ではない。消費
税率8%の税収は約20兆円でGDP約500兆円とし
て4%の負担率である。しかし消費税率を35%に
上げれば税負担率は17.5%にも達する。
これは実現不可能であり、消費税率を上げればGDP
が低下し税収は予定通り確保できないことを示している。
日本の場合、給与所得者4565万人に支払われた
給与192兆円のうち800万円以下の中下位所得層
が人数で90.1%に達し、給与総額の70.6%を得て
いる。
彼らは消費税増税の影響を受けやすく増税されれば
消費を抑制することでそれに対抗しGDPの下振れ要
因となる。
財政が健全か否かは借金の金額ではなく、GDPとの
割合で判断される。とすればもう一つの解決策はGD
Pを成長させることである。
税収はGDPと所得把握率と税率の関数であることか
ら、GDPが拡大すれば税収の増加も期待できる。
増税政策はGDPを縮小させ、負債の対GDP比を拡大
し財政状況をより悪化させるリスクがあるが、GDP成長
策は負債の対GDP比率を低下させるだけでなく、税の
増収も期待できる。
その意味でアベノミクスの目的は間違っていなかった。
ただ消費税増税だけが余計だったのである。
増税による目先の財政再建策ではなく、GDPそのもの
を成長させる有効な策をとることだけが日本の財政危
機を解消する唯一の道である。
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