日経ビジネスオンラインで元財務官僚の小黒一正は
消費税再増税延期論に反対している。
しかし、その理屈を読めば、むしろ消費税増税が財政
再建には役立たないことを証明しているように思える。
彼は主張する。今回の10%増税は止血剤にすぎないと。
(この点には私も同意する)
彼は消費税再増税を予定通り実施すべき理由を以下の
ように主張する。
1.消費税率を100%に上げざるを得なくなる限界の年を
計算すると。消費税10%なら2032年までもつが、増税
せず8%のままだと2030年と2年も破綻が早まる。
2.再増税を延期すれば、再び国会が混迷化する。
3.日本がデフレから脱却し2%のインフレを実現した場合
でも、今後5年おきに段階的に消費税率を5%ずつ引き上
げていき、ピーク時の税率を32%にしなければならないが
今回の増税を延期すれば、ピーク時の税率はこれ以上に
高くなる。
これで、国民は納得できるだろうか、私は納得できない。
1.まず、8%の消費税率を10%に上げても破綻までの
期間を2年先伸ばすだけなら、国民に大きな負担を与え
てまで増税する必要はない。
このことは、消費税増税では日本の財政問題は解決で
きないことを意味している。
2.国会が紛糾しようがしまいが、そんなことはどうで
もいい。
3.消費税が32%も必要ということであれば、日本は
北欧諸国以上に高い税金を支払うことになるが、見
返りの社会福祉は現状以下であり北欧諸国には遠く
及ばない。日本は世界一負担が大きく見返りの少ない
不幸な国家になってしまう。
さらに、消費税率が上昇しても経済に悪影響がない
ことを理論の前提にしているが、過去の増税事例を
見てもそんなことはありえない。
消費税を引き上げることで財政が再建できるというの
は絵に描いた餅にすぎない。
以上でわかることは、彼も言っているように増税は単
なる止血剤にすぎず、日本の財政問題を増税で解決
することはは不可能であるという事実である。
経済を成長させ、無駄な支出を抑え、さらに人口を増
やすというのが根本的な解決策であり、これを実施す
ることなしにはいくら消費税を増税しても財政再建は
不可能である。
消費税増税と経済成長のどちらかを選択しなければ
ならなとすれば、政府は経済成長を選択すべきであり、
今がその時である。(前回の増税を止めておけばもっと
よかったが、)
これが日本の破たんを食い止める唯一の方法である。
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