バブル崩壊は日本の問題であったが、リーマンシ
ヨックはアメリカに起因する問題であり、当初日本
にはあまり影響がないと考えられていた。
ところが、本来関係の少ないはずの日本経済が世
界で最も悪影響を受けたのである。
この原因には日銀白川相殺の無能が大きく関係している。
リーマンショックの発端はリーマンブラザーズの倒産
によりアメリカで信用収縮し市場からドル資金が消え
金融機関がドル資金を調達できなかったことから始
まった。
典型的には自動車ローン会社が融資できなくなった
ため、自動車売上が急減し、GMが破産した。
資本市場が機能しなくなり企業やファンド、銀行が資
金調達できなくなり、多くの企業や金融機関が経営危
機に見舞われた。
日本においても、輸出大企業の売上が激減し、大幅
な赤字になり、資金不足が生じた。
このように、日本においても売上の大幅減による赤字
拡大、資金不足の両面から不況が急拡大した。
これに対抗するために日米欧の中央銀行は多額の
資金供給を継続し、2008年10月8日に米国、英国、EU
スイス、カナダ、スウェーデンの6中銀が協調して金利
を引き下げたが、日銀白川総裁は利下げを見送った。
その結果急激に円高が進み、株価は暴落した。この円
高がそれでなくても大幅に減少していた輸出をさらに
減少させ、日本企業の傷を深くした。
また、日本の大企業は社債やCP等による市場からの資
金調達を主にしていたが、資本市場のマヒにより既発社
債の償還資金にも不足し、資金繰りの悪化が顕在化し
ていた。
リーマンブラザーズ破綻の早い段階から財務大臣の中川
昭一は白川日銀総裁に企業のCPを買い取るよう要請した
が白川は金融リスクをとるのは日銀の仕事でないと繰り返
しその実施を拒否しつづけた。
結果的に銀行の融資資金を一部の大企業が吸収してし
まい、中小企業に対し貸し渋りすることになり、円高によ
る輸出減、下請仕事の減少、慢性的な資金不足の連鎖
により、すばやく債券の買取等に踏み切ったアメリカ等と
比較し、さらに大きく経済を毀損することになった。
このように、日銀の前例固執と判断ミスが、本来は対岸
の火事で済んだはずのリーマンシヨックで大きな被害を
もたらすことになった。
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