小笠原誠治氏は10月1日付のブログで「増税によって
実質経済成長率は引き下げられる。しかし、その効果
は、通常であれば1年しか続かない。」
「というのも、経済成長率というのは、前年のGDPと今
年のGDPを比べて計算されるものであり、GDPの水準
自体を問題にしているのではないので、増税によって購
買力が増税の分、未来永劫奪われるとしても、2年目以
降は増税による物価の引き上げ効果は消失してしまうの
で、従って家計部門が改めて購買力を奪われることもない」
と主張している。
これは明らかに間違いである。
所得が増加せず、消費税増税で価格が上がれば、家計が継
続的に取りうる対応は消費の削減である。翌年についても所
得と消費税率が変化なければ、前年と同様の消費を続けるこ
とは期待できる。小笠原誠治氏が言っているのはそのことだ
ろう。
しかし、経済は家計だけでは完結しない。家計の消費が減れば
企業の売上は当然減少する。赤字企業の多い中小企業にとって
売上減は致命的であり、廃業に追い込まれるところも少なくはな
い。。そこまでいかなくても多くの企業は設備投資削減、人員削減
消耗品購入削減等にはしる。
その結果、さらに需要の減少を招き、家計の所得減にも繋がる。
これが翌年以降にも連鎖し一種の負の乗数効果をもたらし経済
を縮小させる。
経済において、悪影響が1年だけで完全に収まり、翌年以降に何ら
影響を及ぼさない、などということは学者の頭の中以外ではおこり
えない。
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