朝日新聞デジタルの記事から引用
「本当に国有化する必要があるのですか」。クリントンは目を
見開き野田に迫った。2カ月前に野田政権が国有化方針を
打ち出した沖縄・尖閣諸島のことだ。2012年9月8日。ロシ
ア・ウラジオストクで開かれたアジア太平洋経済協力会議の
会場で2人は会談。民主党大会に出席したオバマ大統領に
代わり、クリントンが代役として臨んだ。
「国有化後にどのような見通しを持っているのですか」。ク
リントンはたたみかける。野田は外務省が用意した応答要
領に目を落としながら説明した。東京都より国が購入したほ
うが島の安定した維持管理ができること、現状を先に変更し
たのは中国であること。
だが、クリントンらは納得しているように見えなかった。そ
の日夜、夕食会で、会談に同席した長島昭久首相補佐官
とキャンベル国務次官補が話し込んでいた。米側のただ
ならぬ雰囲気に、長島は改めて日本側の考えの説明に追
われた。
オバマ政権は当初から、日本の方針に複雑な思いを抱
いていた。その年の7月8日、東京のホテルオークラの一
室。「それが最善の策なのですか」。キャンベルは長島に
問いただしていた。
前日の7日、朝日新聞が尖閣諸島国有化の計画を報じ、
野田も正式に公表したばかり。報道まで日本側からキャ
ンベルら高官が何も知らされていなかったことも、米側の
不信を募らせた。
「中国の理解を得ているというのが日本の説明だった
が、我々は率直に言って疑っていた。正確ではないと思
っていた」とキャンベルは話す。キャンベルと部下2人は
外務省アジア大洋州局長の杉山晋輔にも別途会ったが、
杉山も一定の理解は得られる、との感触を口にした。米
側は内心で首をかしげた。
■日中対立を懸念
長島は、「代替策はないのか」と迫るキャンベルの言葉
から、米国のメッセージをこう解釈した。我々は、日中の
衝突に巻き込まれたくない――。
一方キャンベルは、当時の米側の視線をこう振り返る。
「我々は『巻き込まれたくない』と言ったことはない。心配し
ていたのは、日中関係にこれから何が起こるかを、日本
が理解していないということだった」
以上
日中対立激化を覚悟して国有化したなら、それはそれで一つの
見識だが、日中対立を避けられるという判断で、今日の状況を
招いたとすれば、無能と言われても反論はできないだろう。
安倍もまた、アメリカの反応も予想しての靖国参拝ならいいが
予想できなかったぬのなら、外交・情報部門を強化しなければ
ならない。
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