の一部に国費を投入する方向で、現行の事故処理対策の見
直しに入った。野党の一部などには、東電を破綻させて銀行
など債権者にも責任を負わせ、国民負担を軽くすべきだとの
声もあるが、政府は否定的だ。
その理由として次のようなことがあげられている。
1.破綻処理すれば、東電の負担は、その時点で資産を処
分して払える分に限られ、あとは税金などでまかなうこと
になり、債務を整理し、経営を再建できれば、東電にとって
はより良いシナリオになり、日航のように焼けぶとりしかね
ない。
2.電力会社の債務返済は、社債が優先されると電気事業法
で決められており、この返済が優先されれば、損害賠償が
後回しになる心配がある。
3.社債を返済しないと、金融市場が混乱する恐れがある。
4.国は事故後、東電に対し1兆円を出資しており、これも紙く
ずになりかねない。
しかし、これらはどれ一つとっても東電をそのまま残す理由に
はならない。
会社更生法等で会社を残すのではなく、東電については解
体し、その経営資源と施設を全て国有化し、発送電を分
離し、国内企業に売却する方法で整理すべきである。
また、電気事業法の社債優先を適用しなければならない理
由もなく、東電を整理し被災者への賠償をするための特別法
を制定して被災者への倍賞責任を優先し、東電解体と社債
処理をすればいいだけである。
金融市場の混乱云々は考慮するに値しない。社債は常に元
本棄損のリスクを有する商品であり、それが返済されなくても
対応できるのが市場であるべきである。
国の債券については問題外である。現状でも国は東電に1兆
円を資本注入するとともに、5兆円を上限に賠償費用を貸し付
ける仕組みを作っており、事故処理費用がこの上限を超えて
10兆円規模に膨張してもその資金を負担せざるをえず、結果
的に国民負担になる可能性は高い。
その回収は東電が電気料金収入で返済することになっているが、
も返済期間は数十年に及ぶ可能性が高く、そのために必要な電
気料金の引き上げは日本経済に悪影響を与える可能性が高い。
むしろ、税金で負担し電気料金の引き上げを抑えた方が日本経済
にとってはプラスになる可能性が高い。
東電の過失は明らかであり、倍賞のために会社を存続させるという
のは本末転倒である。
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