る統計では景気回復をにおわす数値が次々と発表される。
それを受けて消費税の増税が決定され、従来賃上げに消
極的であった経団連も最近では賃上げに意欲を示しはじめ
たように見える。
しかし、これで日本の未来がバラ色になったと考えるのは余
程の極楽とんぼである。
マスコミがアベノミクス効果での景気回復の兆候を宣伝し安
倍総理が自画自賛している裏で着実に日本社会の破滅が現
実のものになりつつある。
もともと女性に多かった非正社員だが、男性の非正社員比
率はこの20年で倍増し、雇用は不安定化している。
残念ながら、正社員の増加という点でアベノミクスに多くは
期待できそうもない。
日本では非正社員が年々増加し、全体で2000万人を突破。
過去最高の38.2%となるなかで、アベノミクスの恩恵を受け
る労働者は限定的である。
国税庁が今年9月に発表した『民間給与実態調査』(2012年
度)では、サラリーマンの平均年収は408万円と前年より1万
円減少。うち正社員は468万円、非正社員は168万円となっ
ている。
非正規労働者の収入は月20万円を下回り生活保護と大差な
い収入しかない者も多い。
そこから国民年金保険や国民健康保険の保険料が引かれ
ると、手元に残るお金はわずか。そこへ、インフレ政策と消
費税増税による生活必需品の価格上昇、電力料等の公共
料金の値上げが加わる。
この収入では日々の生活をおくるのも厳しく、とても老後の
蓄えなどをする余裕はない。
失われた20年の間に非正規労働者として働き始めた若者
たちは、非正規労働者のままアラフォーに突入した。
さらに若年層でも雇用情勢は改善していない。2003年と
2013年の25〜34歳の非正社員比率を見てみると、男性
は10%から16.3%へ増加。女性は37.6%から41.4%ま
で増えている。この伸び率が今後20年続くとすると、単純
計算でも同世代の約4割が非正社員になる。
後20年たてば、現在アラフォーに達した非正規労働者がい
わゆる高齢者と呼ばれる年齢に達する。
非正規労働者の多くは国民年金であり、多くても年間70万円
程度の年金しかなく、蓄えがなければ高齢で失業すれはたち
どころに生活に窮することになる。
その後に続く世代も同様である。後20年で自立でない高齢者
の大量発生で日本社会は完全に崩壊することになるだろう。
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