http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/39036
オランダのウィレム・アレクサンダー国王は先月17日、
2014年の政府予算案提出に伴って議会で演説し、
「20世紀型の福祉国家は終焉し、『参加型社会』へ変
遷している」と話した。
福祉国家として北欧諸国と並び称されていたオランダも
国家の財政難により福祉国家の看板をおろさざるをえなく
なったのである。
グローバル資本主義の席巻は欧州において大きな社会的
変動をおこしている。
この3年間に、欧州22カ国内で食糧援助を受けている人は
200万から350万人に増加し、
フランスでは近年は『ワーキングプア』が顕著に増加し、2008
年から2011年の間に収入が貧困線以下に低下した国民は
35万人を上回った。
ドイツでは、低賃金部門が大幅に増加しており、その結果、フ
ルタイムの仕事に就いている60万の国民が生活するのに十
分な収入を得られていない。
極度の貧困状態」にあるスペイン人の数は2008年から2012
年の間に倍増して300万となり、2011年のわずか1年間に、
スペインの億万長者の数は13%増加して計40万2000人とな
っている。
グローバル資本主義では企業は税金の安い国に本社を置き
賃金が安く効率の良い国で生産する。そのため法人税率引
下競争で各国の法人税収入は伸び悩む。
また、労働者の賃金は低下し、富裕層は税率の低い国に逃げる
ため所得税収も減少し、税収は消費税等として国民に背負わさ
れる。
賃金低下と失業で福祉の助けを必要とする国民が増加する一方
で、国の税収は減少し、財政が悪化し、各国は福祉国家の理念を
放棄し緊縮財政策をとらざるをえなくなる。
この結果、一般の国民の生活は大規模に破壊され、国民の平等を
原則とする民主主義の成立基盤が失われつつある。
このまま、グローバル資本主義が何の制約もうけず、はびこっていけ
ば、民主主義は過去の遺物となるだろう。
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