い。という記事にアメリカ中産階級の悲惨な現実が描かれてい
る。
昨年の一般的な世帯収入は5万1017ドルで、四半世紀前の
1988年当時とほぼ同じだったのだ。
この間に実質GDPは84654億ドルから154707億ドルと1.8
倍にもなり、一人当たりGDPは40%以上増加しているのにも
かかわらずである。
さらに1人当たり医療費(インフレ調整済み)は、1988年から
約2倍の8500ドルになり、国の一般的な中流家族の純資産は
2010年に6万6000ドルに下がり、1989年時点よりも6%低い
(インフレ調整後)。
国家総所得のうち企業収益が占める割合は1920年代以降で
最も高いが、労働者に分配される割合は1965年以降で最低だ。
工場労働者の実質賃金は70年代前半よりも低い。そして上位
10%の富裕層が、米国で生み出される収入の半分以上を占め
ている。
これがグローバル資本主義のもたらす社会であり、日本もま
た着実にアメリカの後を追いかけようとしている。
社会保障改革の名を借りた制度の改悪は着実に高負担と低
補償を追求しつづけている。
経団連が希望し政府が実行する政策は、消費税増税というよ
うな個人負担の増加と法人税減税のような企業負担の軽減で
あり、目指す社会はアメリカ型の格差社会である。
そこでは、経済発展は一部の富裕層に大きな富をもたらすが、
中間層以下の層にはわずかのおこぼれも与えない。
そして、中間層没落のターゲットとして今政府が狙いを定め
ているのが年金生活者である。
今まで年金生活者は年金と過去に蓄えた資産の取り崩しで
中間層下部の生活を保つことができたが、今後のインフレ政
策とマクロ経済スライド、年金所得への課税強化政策により、
年金生活者は生活保護者並の生活水準を余儀なくされるこ
とになるだろう。
資本主義の発達段階の中で、国家が企業を制御する修正資本
主義は中間層を増加させる弱者にとっても比較的やさしい資本主
義であった。
しかし、企業が国家の制御から離れるグローバル資本主義は
自らの収益極大化を追求する非情なシステムである。
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