2013年、安倍政権は今後の成長戦略の軸に女性の活用を
掲げた。2020年までに、社会のあらゆる分野において指導
的地位に占める女性の割合を30%程度まで引き上げる。
そのためにはまず、全上場企業に対して、役員に1人は女性
を登用すること。また今後は上場企業を対象に、管理職や役
員に占める女性の割合を調査し、各企業の女性登用状況を
公開すると公表している。
これを受けて、経済界は突如、女性社員の昇格、昇進に乗り出
した。「女性初」の役員を作る企業が増えたかと思えば、自社で
立てた女性管理職比率の数値目標を公表する企業も相次ぐ。
しかし、よく考えてほしい。女性役員が形だけの役員ならまだ
問題は少ないが、これがほんとうに実権をもつ役員だとその弊
害は深刻である。
勿論本当に能力のある女性であれば問題はない。問題なの
は能力がないのに女性枠で管理職や役員になった女性の場
合である。
サラリーマンなら誰でも実感していることだが、上司が無能
だとその部下は非常な苦労を強いられる。
ここ30年以上日本企業が苦戦を続けているのは経営者や
管理職が無能なことに起因する。もっと正確に言えば創造
力や決断力というような能力ある人材よりも、波風たてず組
織内をうまく泳げる人材が出世しやすい日本の人事システ
ムにある。
結果、多くの人材が企業内で能力を発揮する機会がなく埋
もれている。これに無能な女性管理職が増加すれば、さら
に多くの犠牲者がでる。
女性だから男性だからは関係ない、実力のある人材であれ
ば登用すればいい。しかし、企業経営にとって最大の問題は
無能な人材を人の上にたてることである。
1名の無能な者が上にたてば、その下の全ての人材が能力
発揮の機会を阻害される。
日本企業は世界のライバルに追い落とされ、昔のような余裕
はない。
成長戦略というのなら、無理やりな女性登用ではなく、実力本
位の人事システムの研究と導入を推進すべきである。
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