1.2015年に消費税を10%にしても社会保障充実や財政
健全化は実現できない。
2012年度予算では、44兆円の国債発行が予定されて
いる。過去の国債の償還が12兆円あるので、実質32兆
円の歳入不足が存在することになる。消費税を10%に
すると12.5兆円の税収増が期待されるが、それが達成
できても依然として歳入は20兆円不足し、1000兆円を
超える政府の借金が増え続けることに変わりはない。
この状況で社会保障を充実できるはずはない。また、毎
年の借金増加額が32兆円から20兆円になったからとい
って財政が健全化されたとは誰も見なさない。
2.経済成長の伴わない増税では問題は解決しない。
過去の事例を見れば橋本内閣の当時消費税を3%から
5%に増税した。計算上では5兆円ほど税収が増えるは
ずだったが、実際は景気後退をもたらし、税収は増税
時の1997年の53.9兆円から2003年の43.3兆円まで減少
した。景気後退は消費税以外の要因によるものである
と増税論者は反論するが、経済が回復しないと増税し
ても財政改善につながらないことの良い教訓である。
3.消費税増税は間違いなく景気をさらに悪化させる。
消費税を10%にするということは、家計からいままでより
12.5兆円需要を政府に吸い上げることになる。日本の給
与総額は約200兆円、個人事業所得を加えても230兆円
である。12.5兆円はこれの5.4%に相当する。国民に余
裕のある時代であれば、この金額がそのまま需要減に直
結することはないが、今の時代であればこの金額以上に
国内需要が減少する可能性が高い。
国内の需要が伸びないから企業が海外に流出している。
今回の消費税増税は消費の減少や企業の海外流出を
促進し、経済のさらなる縮小を招く可能性は高い。
4. 国際投機資本に日本国債攻撃のチャンスを与える。
過去何度か国際投機資本は日本国債への攻撃を試みたが
成功しなかった。日本の金融機関が買い支えたのと、日本に
はまだ増税による財政改善の余地があるとみなされてきたか
らである。しかし、その条件は崩れつつある。頼んでもいない
のにIMFが日本の銀行に対し、国債が下落した場合どのよう
な影響をうけるかのストレステストを実施したが、既に包囲網
は築かれつつある。ここで、増税したにもかかわらず問題が何
一つ解決できないことが白日の下にさらされれば、国民の絶望
も深くなり、日本国債を売り崩し大儲けを企む国際金融資本の
思うツボである。
このように、百害あって一利もない、不況期の増税は絶対に阻止
しなければならない。
そしてそれが可能になるのは自公民を総選挙で敗北させ過半数
割れに追い込むことだけである。
はげみになりますので、クリックをお願いします