今日の午後に、将来の歴史家により「日本を滅ぼした最悪の
タイミングでの増税」として糾弾されるであろう増税法案が成
立することになりそうである。
この不況期に増税を行うことの異常さについては多くの批判
が存在するが、何が何でも増税し利権を維持しようとする官
僚勢力は御用学者を通じマスコミを誘導し国民を洗脳してきた。
日経ビジネスで「景気が良くても悪くても消費税増税の影響は同じ」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/opinion/20120528/232621/?P=5&ST=life
と書いている経済企画庁出身の小峰隆夫もそんな一人である。
まず、彼は消費税引き上げで成長率は低下するが、税収は
増えるので財政バランスは改善すると主張する。
次に彼は97年の消費税引き上げで経済が大幅に低下し、税
収が減少した事実に関しては、消費税引き上げだけではこ
こまで悪くならず、ほかの要因があったと主張する。
彼はこう結論づける。
消費税引き上げが経済に及ぼす影響は景気が良くても悪くて
も同じである。消費税を上げれば税収が増え、財政が改善さ
れるのだから、今回の消費税引き上げはガマンすべきである。
彼の論理に欠けているものがおわかりだろうか?
彼は消費税増税による物価の上昇だけを見て、それに対応
するだけ消費が減ると機械的に考えている。
ここに欠けているのは人間である。人間の心はこのようには
考えない。増税で物価が上がっても好景気で将来賃金上昇が
見込まれれば消費は減少しない。一方、先行きが暗く見
通しの無い時期に増税で物価が上がれば、物価上昇分以上に
財布の紐を絞める。これが一般庶民であり、官僚出身者のよう
にお金や将来の不安を身近に感じたことのない人間には決して
理解できないことである。
景気が良くても悪くても増税の影響は同じと考えるのは、頭デッカ
チで生活の不安の無い官僚の空論である。
さらに、もう一つ財政改善に寄与するというが、年間で40兆円不足し、
1000兆円の借金を抱える現状で12兆円の税収増は財政問題を解決
できる処方箋と言えるだろうか。
40兆円不足が28兆円不足になっても、問題は何一つ解決しない。
瀕死の病人に健康にいいから運動しろ、というような政策は無意味
である。
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