特に外交分野等において顕著である。
その理由してよく指摘されるのが、短期間で次々と政権が
交代することである。
しかし、これだけが問題なわけではない。より大きな問題は
官僚制度にある。
本来、官僚は政治家と異なり選挙等で短期間に交代させら
れることはなく、長期的な政策と熟練した技術が蓄積される
はずである。
しかし、実際はそうはなっていない。前例に依拠することは
得意でも、他国と比較し老練な政治技術を行使できることは
ほとんどない。
その理由はキャリア制度にある。記憶力や緻密さといった能
力はきわめて高いが、社会経験が乏しく視野がせまい。
その省庁においてもごく短期間で移動するため、管理技術は
あるかもしれなが、専門分野に対する能力が乏しい。
日本の官僚組織では、金太郎アメのようにだれがその地位に
ついても一応機能できるが、個人に依拠する熟練した知識や
知恵が諸外国と比較し乏しい。
本来、政治技術を蓄積しその分野の専門家である官僚幹部が、
2年程度の腰掛でしかその地位につかないため、専門的なアド
バイス機能を果たせる能力がない。
専門的能力は、より資質の劣るノンキャリア任せになっており、
他国と比較し見劣りすることになる。
日本の官僚制度がより専門的に継続した政策をサポートする
ためにはキャリア制度の見直しが不可欠である。
優秀なキャリア官僚が専門的知識と経験を獲得できるような
人事制度にしないと日本の政策能力はいつまでたっても三流
のままである。
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