日本が直面している危機から脱出する方法は経済を成長さ
せること以外にはない。これに賛同する学者も多い。
しかし、日本の政治指導者やそれを支える経済学者は経済
成長について語ろうとはしない。
その理由として彼らが口にするのは、バブル崩壊後の不況に
際し、多額の公共投資を実施したが効果がなかった、という
ことである。
この主張にたいしては、経済対策と同時に経済の足を引っ張
る国民負担政策を実施したからである、という有力な反論が
ある。
それ以外に、当時の公共投資を中心とする景気対策の効果が
少なかった原因として、自民党の行った公共投資そのものの問
題点があった。
当時の公共投資は多額の資金を投入したが、その対象は地域
的にも内容においても全ての既得権勢力に配慮した総花的な
ものであり、それを実施することにより日本経済に新たな成長を
もたらすものでなかった。
特に、十分に検討されず実施されたため、建設後活用されず、
却って多額の維持費負担をもたらし、財政面で悪影響を与え
ることになった。
確かにケインズは穴を掘り、それを埋めるだけでも景気浮揚効
果があると主張していたが、同じ額を投資するならば、今後の
経済に有益な影響を与えるものに投資する方が乗数効果がは
るかに大きいことは言うまでもない。
日本は現在、空港においても港湾においても、アジアで一番で
はない。これをアジアで一番の施設にすることは日本の国益に
合致しても決して背伸びしたものではない。
また、日本の国土は有効利用されておらず、東京を除けば地
方は衰退を続けている。
日本の都市、地方の在り方を十分に検討し、それにふさわしい
投資を行うことは決して無駄な投資ではない。
要は、景気対策は日本の将来プランと整合性があるものに
すべきであり、既得権勢力の顔色をうかがうような戦略の無い
無駄な投資をしないということである。
将来の日本のあるべき姿を見据え、それに必要なところに資
金を集中投資することが日本の未来を拓くことになる。
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