が吹き荒れているが、その結果欧州経済はさらなる悪化を続
けている。
景況調査によると、3月には製造業部門の収縮が地中海周辺
諸国からドイツ、オランダなどの経済力のある国にも波及し、
EU統計局によれば、ユーロ圏の失業率は2月にユーロ導入後
の最高を記録した。
ユーロ圏周辺国の大規模な緊縮財政の影響を相殺するために、
経済が相対的に健全な国は成長を志向した政策を取らないと、
緊縮財政だけでは経済成長は不可能である。
しかし、EUを指導するECBやドイツは依然として、同圏の債務
危機に終止符を打つには緊縮財政と長期的な経済構造の見直
ししかないという考えを変える気配はない。
米カリフォルニア大学バークレー校のブラッド・デロング経済学
教授は、金利が低い不景気時においては、リセッションを長引
かせる支出削減は税収を減らし、当初の支出削減の効果を台
無しにすると主張している。
今回のEUの不景気下の緊縮財政は、EU国民の犠牲で経済理
論の妥当性を確認する壮大な実験である。
せっかくEUは大きな犠牲を払い実験してくれているのだから、
我が国としては注意深く観測し教訓とすべきである。
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