全ての世代が損をするという試算がテレビでセンセ−ショナル
に流され若者の被害者意識を刺激している。
年金制度など止めてしまえという極論がよく聞かれるようにな
っている。しかし、これは短絡的なヒステリー反応である。
年金制度は高齢者にとって必要なことは言うまでもないが、そ
れ以上に今の若者にとって必要な制度である。
今は若いが、いずれ年をとる。今の老人は高度成長時代やバ
ブルの時代を経験し、そこそこの蓄えをもっているが、今の若
者は生活に追われ、十分な蓄えをする余裕がない。
このまま年をとって老人になったときに年金制度が破たんして
いれば、彼らの未来は一層悲惨なものとなる。
現在の年金制度は多くの問題を抱えているが、その対策は年
金制度を破壊してしまうことではなく、自分たちが高齢者になっ
た時にセーフティネットとして機能できる年金制度を構築するこ
とにある。
品性下劣なマスコミはいたずらに世代間の憎悪を煽るような記
事を垂れ流しているが、そんなものに迷わされることなく、冷静
に考えるべきである。
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