としての首相の資質の無さによるものが大きいが、
もっと根本的な問題としては、日本の政治システム
が欠点だらけであることがあげられる。
その重要な要素が国会である。議員内閣制であるか
ぎり首相は衆議院の過半数の支持を受けているのが
ふつうである。しかし、参議院の支持を受けているか
否かは別問題である。
現に、今は衆議院と参議院で与野党が逆転しており
参議院で首相は過半数を有していない。
その結果、予算を除く法案において野党が徹底的に
反対をすれば制度的にはその状況を解消する手段
がない。
衆議院を解散し総選挙をして与党が勝利しても、参
議院は何も変わらない。参議院には解散が無いから
である。
一応、衆議院で政府が国民の支持を受けたのだから、
参議院も無茶な反対はしないだろうという、あいまいな
良識を期待しているだけであり、もし総選挙後も参議
院が反対の姿勢を変えなければ、政府には参議院の
任期満了がくるまで何の打つ手がないというのが実態
である。
日本の政治システムはあたかも原子炉が津波による
電源喪失を想定していなかったと同様に、与野党ねじ
れ状態による野党の徹底的な反対を想定していない。
このような不完全かつ無責任な政治システムが戦後
機能してきたのは、自民党支配が安定していたから
である。
与党の安定支配が期待できなくなった今、日本は政
治システムを見直さないと、今後大きな危機に直面
した時に致命的な政治不全に陥る可能性がある。
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