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2011年10月26日

オリンパス騒動に見る日本企業の統治システムの問題点

オリンパスの経営をめぐる混乱が泥沼化の様相を呈
している。4月に就任したばかりのウッドフォード社長
を10月14日に解任したことに発する騒動である。

ニュースによると、英医療機器メーカーの買収に絡み、
オリンパスが投資助言会社に6億8700万ドルを支払
った件について 、投資助言会社への報酬や企業の買
収額の算定方法が不適切と結論付け、ウッドフォード
前社長が菊川剛会長らに辞任を求めたが、自らが解任
された、ということらしい。

この事件に日本企業の統治システムの問題点が典型
的に表れている。

まず、通常は約1%が相場とされる助言会社への報酬
に30%もの高額を支払っているが、取締役会や監査役
会、監査法人が何らチェックすることなく通過しているこ
とである。

何らかの裏取引があれば犯罪であり、なかったとしたら
経営者の無能により株主に損失を与えたことになる。

さらに、この点が指摘されると、説明努力を一切せず解
任に踏み切り、取締役会も真相究明を行った形跡がない
ことである。

もし、後任社長が日本人であれば、前任者の問題行為
には目をつぶりウヤムヤにする、というのが現在の日本
の企業統治である。

今回のケースは後任が日本的常識の通用しない外人
であったから、表にでたにすぎず、日本の多くの企業
では、多かれ少なかれ、このような経営者による株主
や従業員への背任行為が表面化しないまままかり通
っている。

日本の企業統治システムの欠点は経営者に対する
チャック機能が無いことである。取締役会は会長や
社長に任命された者ばかりで構成されることが多く、
実力経営者の不正に対するチェックは期待できない。
監査役会など取締役会以上に役にたたない。

さらに、監査法人も会社に嫌われるような指摘には
消極的である。

今回のオリンパス問題については徹底的に真相を
究明し、日本型企業統治システムの是正につなげる
べきである。


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posted by ドクター国松 at 10:49 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本企業 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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