日本を復活させるには経済発展が必要である。しか
し、日本政府が経済発展に必要な政策をとろうとし
ても、日本政府には政治的決定の自由がない。
その例が円高対策である。貿易財の比率が高い企
業物価を基準にした円ドルレートは100円程度なの
で、現在の77円前後の相場は割高である。円高が
日本経済の空洞化をもたらし、今回は中小企業レベ
ルでの空洞化をもたらしており、日本経済の復活に
は円高対策は不可欠である。
しかし、日本政府は口では円高介入を唱えながらも、
実際は米国やEUの顔を窺い、思い切った介入に踏
み切れない。
また、2010年10月に国際石油開発帝石が、イラン
南西部のアザデガン油田から完全撤退した。
2004年に国際石油開発帝石がイランから75%の
権益を取得したが、米国に反対され06年に10%
に縮小させていたが、再度米国に完全撤退を要請
され、応じることになったものである。
米国の要請に応じないと制裁対象企業リストに掲載
され、米国金融機関との取引が禁じられ、資金調達
や決済で大きな支障が生じるという理由で、国際石油
開発帝石の意思で撤退を決めたことになっているが、
政府の意思であることは言うまでも無い。
日本は原油・天然ガスの自主開発比率を現在の23%
から40%に引き上げる目標を掲げており、有望油田
だったアザデガン油田を失うことは大きな痛手であるが、
日本は国益よりもアメリカの意向を優先しなければなら
ない国なのである。
アメリカ政府が日本政府に突き付けていた年次改革要
望書が日本政治に大きな影響を与えてきたことは周知
の事実である。
小泉改革として実施された多くの改悪は年次改革要望
書に書かれていた内容を実現したものであり、それが
日本に今日の不幸な格差社会をもたらした。
省庁の担当部門に振り分けられ、最終的には法律
や制度が改正され着実に実現されていく。
そして日本とアメリカの当局者が定期的な点検
会合を開くことによって、要求がきちんと実行さ
れているかどうか進捗状況をチェックする仕掛け
も盛り込まれていた。
これで日本は独立国と言えるだろうか。外交も軍
事も内政もアメリカ任せにしておれば良かった時
代は終わった。
日本復活を実現できる政府は自民党時代のように
アメリカの言うがままではいけないし、民主党の
ようにアメリカからの独立をめざしても、能力不
足から、失敗するようでもいけない。
日本のための独自政策を追求し、それを実行する
実力がなければならない。
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