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2011年05月20日

不安定さを隠しきれないヨーロッパ社会

フランスで開催中のカンヌ国際映画祭の理事会は19日、
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」で2000年に最高賞パルム
ドールを受賞したデンマークのラース・フォン・トリアー監督
を、同監督が、18日の公式記者会見でヒトラーに共感を示
す発言をしたため、今回の映画祭から事実上追放する声
明を発表した。

日本人からすると、やや意外な感をうけるが、ヨーロッパ
社会では依然としてヒトラーの脅威は風化していないらしい。

歴史上の出来事になってしまえば、これほど神経質に反応
する必要性はない。

フランスやドイツに代表されるEU首脳国では充実した社会
保障があり、国民は生活に満足しているように思えるが、
実情は高い税金と失業率、移民問題等で社会の底辺では
不満が鬱積している。

それが右翼勢力の台頭を産む原動力となっており、ヒトラ
ーの人種差別的思想が未だに脅威となりうる背景である。

充実した社会保障が得られたとしても、収入のほとんどを
税金にもっていかれる現状では、向上意欲があっても現
在の生活水準を高めていくことは非常に困難である。

一方で、海外からの移民が増え続け、彼らの為に税金が
無駄遣いされている。

このことが、ヨーロッパの若者の不満を増幅させ、何かキ
ッカケがあれば、それが爆発しかねない。

ヨーロッパの高負担福祉社会はその中に致命的な問題点
を抱えている。

これを破たんさせないために、ヨーロッパ社会はひたすら
建前に固執し、異論を排除していかざるをえない。


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posted by ドクター国松 at 10:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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