にほんブログ村 政治ブログへ 人気ブログランキングへ
最初のページはこちらです。

2011年04月18日

森信茂樹教授の国債の日銀引受反対論のあやふやな根拠

中央大学法科大学院教授森信茂樹死が「投機の標的、金利
上昇のリスクをはらむ復興国債の日銀引き受け論を排す」
http://diamond.jp/articles/-/11928
という論文を投稿しているが、その根拠は不十分なものであり、
説得力はない。

教授はまず、国債の日銀引き受けが報道された後、長期金利
が上昇したことをもって、投機による金利上昇のリスクを主張
する。確かに国債の先物売りが金利上昇の要因であるが、日
本国債は国内機関投資家の保有率が圧倒的に高く、海外投
機機関の先物売りだけでは売り崩すことはできない。

教授の論旨の中心は上の投機の危険性にはなく、財政規律
にある。

曰く、財政法が日銀引き受けを禁じている。そして財政法
が日銀引き受けを禁じてるのは過去の失敗を繰り返さない
ためであると。

しかし、法律など変えればよく何の障害にもならない。問題
は過去、国債の日銀引き受けがインフレーションノ発生に
直結し、今回も同様にインフレに結びつくか否かである。

危険な例として教授は「1930年代の世界大恐慌の下で、
時の大蔵大臣・高橋是清は、日銀の国債引き受けによる
拡張財政と通貨切下げ策による経済回復を目指したが、
結果的に財政規律は失われ、高橋是清の暗殺後、軍部
による国債発行と軍事拡張により、戦争へと突入してい
った。」と述べている。

しかし、高橋是清のリフレーション政策で、日本が欧米諸
国よりも早く世界恐慌から離脱することができたのは歴史
上の事実である。問題は目標達成後も政策転換を行わな
かったことにある。適切に舵をとれば日銀の国債引き受け
即インフレということにはならない。

また、詳しくは書いていないが戦後のインフレにふれている。
これは復興国債発行による傾斜生産政策後のインフレのこ
とだと思うが、この場合は金額の規模を考慮する必要がある。

復興債の発行額は昭和22年度で全国銀行の貸付総額を
上回る金額であり、昭和23年度でも全国の貸付総額の1/3
に達していた。今回仮に30兆円の国債を発行し日銀引き受け
しても銀行の貸出総額475兆円の6.3%の規模、マネーストッ
クの広義流動性1400兆円の2.1%にすぎず、復興債を例に
だしインフレに結びつくと騒ぐ額ではない。

歴史を引き合いにだすならば、その背景や規模についても触
れ厳密に論評すべきである。


はげみになりますので、クリックをお願いします

にほんブログ村 政治ブログへ 人気ブログランキングへ このエントリーをはてなブックマークに追加 follow us in feedly
posted by ドクター国松 at 10:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 積極的な成長戦略 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック