大震災とそれに続く放射能漏れ、計画停電の日本経済への
悪影響が顕在化してきた。
東北地方の工場被害で部品が不足し、トヨタ他の大企業も
生産停止に追い込まれた。
計画停電は日本最大の生産基地である関東を直撃している。
放射能漏えいで日本への外国人観光客は激減し、観光産
業は既に大きな打撃を受けている。
東北地域の農業・水産業の被害は言うまでも無い。
国内での生産減と海外での日本製品に対する忌避から輸出
が大幅に減少傾向にある。原油の高騰、復興資材の輸入増
で貿易収支は大幅に悪化する。
さらに、電力不足を節電で解消しようとする政府方針は、生産
低下を長期化させる。
製造業に加え農業・漁業でも失業者が増加しており、震災に
よる大勢の犠牲者の発生、震災による自粛とあいまって消費
が長期的に低迷する。
それに対し、いまだに政府は原発を制御できていないだけでな
く復興計画や復興予算を提示できていない。
電力不足についても計画停電や節約という対症療法を口走る
だけで、根本的な電力回復計画を提示しない。
これでは企業は海外に生産拠点を移さざるをえない。
円安は既に進行している。生産が回復せず、貿易収支が悪化
しGDPが低迷するとすれば、円を買う理由は何もない。
投資家であれば、当然円資産から海外資産へ振り向けるのが
正しい選択である。
世界が日本に期待しているのは、原子炉事故を早急に解決す
ることに加え、実現可能な早期復旧計画を提示することである。
そうできれば再び日本に対する信任も復活する。
まだ、世界は日本で復興が開始すれば復興需要で経済が上向
くと考えている。
しかし、政府の対応は世界の期待を裏切りそうである。
政府・民主党が東日本大震災の復興に向けて検討している
2011年度第1次補正予算案の原案が6日、明らかになった。
3兆円の財源は、基礎年金の国庫負担割合の50%維持のた
めに予定していた2・5兆円を活用するほかマニフェスト見直し
で調達し国債は発行しない方針らしい。
30兆円を超えるとも言われる被害を回復するには、20兆円
以上の資金をできるだけ早く投入する必要がある。
増税は経済悪化を助長する上に、20兆円もの増税は不可能
であり、すぐに徴収できるものではない。
対応策は国債の発行以外にあり得ない。
それをこの期に及んで財政規律云々にこだわり発行しないで
すまそうとしている。なんと愚かなことであろうか。
国債発行で円安になる以前に、無策によって円安は進行する。
しかし、輸出は以前のようには増加せず、日本経済と国民は
大きなダメージを受けることになるだろう。
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