これは新たな人災の始まりである。
私の提案した外貨準備を活用する復興国債発行については
以下のような意見を何人かからいただいた。
外貨準備特別会計で保有する米国国債は元をたどれば政府
短期証券が原資となっており、その米国債を見返りにし復興
国債を発行するのはおかしいのでは、
というものである。もっともな指摘である。しかし、今回はそれを
承知の提案である。
株式投資の世界では、金融機関からの借入資金で購入した株
式を担保に株を購入するなど普通の取引である。
今回は100年に一度あるか否かの非常時である。平時の常識
的な手法しか採用しないのは政策責任者の怠慢である。
政府は100兆円近くの米国債券を保有しており、ここから利息を
得ている。この外国為替特別会計の歳入となる金利相当分の一
部を復興国債の償還財源にしょうというものである。
25兆円の国債を1.2%で発行し、その返済財源として同額の米国
債の利息をあてるものとする。日米国債の金利差2%で計算すると
必要な額は8千億円である。この外国為替資金特別会計収益を復
興国債の元利償還財源に使用する方法である。
外国為替資金特別会計の剰余金は一般会計の歳入に振り替えら
れるため、この分一般会計の歳入が減少するが、この程度の額は
民主党マニフェストの見直しで捻出できる。
つまり、直接的に復興対策資金をマニフェストの見直しで調達しよう
としても全く足らないが、このように外為特会を活用し国債発行をす
れば、マニフェスト見直しの原資だけで25兆円を復興に回すことが
可能である。
財務官僚は財政規律を強調し、これを崩せば通貨が信任を失い金
利が暴騰しかねない、と脅威を強調するが杞憂である。
このまま復興が遅れると、日本経済は供給・需要の両分野で経済が
縮小し、輸出も減少する。貿易収支は悪化し円は下落する。
税収は大きく減少し、財政はさらに悪化する。
生産能力が回復しない状況での円安は経済にプラスにならず致命的
増税すれば、税収は増えるかというとそうならない。消費税を10%
上げても今の環境では消費が10%以上低迷するため税収の伸び
はわずかである。一方需要はさらに低迷し景気は放置した場合より
大きく悪化し、結局財政も経済もさらに悪化する。
一方、国債で対応すれば上の二つのケースより供給力の回復、需
要の回復が早く、税収も増加し財政、経済共に回復は早い。
仮に、通貨不振で円が急激な低下をきたせば、早期に復興国債の
償還は可能になり異常事態は解消される。また、生産力が回復し
ておれば円安は日本の経済にプラスとなる。
重要なのは一刻も早く復興計画と予算を決定し、復興に着手するこ
とである。放射能対策と並行して実施すべきであり、そのためにも
国債を発行し日銀引受させる方法が最も早い。
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