題を巡り、米運輸省が「欠陥はなかった」とする最終報告を発
表した。トヨタ自動車の主張が認められたかたちである。
しかし、それでは大規模リコールが起きた1年前の騒ぎは何だ
ったのか。日本人ならだれでも不思議に思わざるをえない。
米運輸省のラフード長官は当初から「トヨタ車には乗らない方が
いい」と踏み込んで発言していた。急加速の原因がはっきりしな
い段階から、監督する官庁のトップが企業名を挙げて「乗るな」
というのは、異例のことであり公平な対応ではありえない。
日経新聞はそれを「軽はずみな発言でトヨタたたきを必要以上
にあおった」と評しているが、これは決して軽はずみな発言では
なく、トヨタ叩きを狙った上のことであることは明白である。
アメリカという国は、政府が自国の利益を守るために必要とあれ
ば、事実を捻じ曲げてでも世論誘導を行うのは第二次世界大戦
以前からの常套手段である。
これは日本を真珠湾攻撃に追い込んだ手口や1980年代から90
年代にかけ、アメリカを脅かしつつあった日本経済を潰すために、
アンフェアーな日本というイメージを植え付けたのと全く同じ手口で
ある。
トヨタ叩きは当時壊滅状態にあり、自国民からも見捨てられつつ
あったGMに代表されるアメリカ自動車産業を復活させる最も効
果的な政策であった。
アメリカという国は自国を脅かす勢力に対しては容赦はしない。正
義や平等、合法性、民主主義の理想などはその目的の前では簡
単に無視する。
日本政府も企業もそのことを良く理解し、その上でアメリカと付き合
うことが必要である。
トヨタの姿勢はあまりにも無防備であった。アメリカの牙の中に
自ら身を投げ出すような対応に終始したのである。
これを教訓に坊ちゃん社長が少しでも利口になればトヨタには高い
授業料であったが将来的にはプラスになるだろう。
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