のに対し、私は以前から、日本の財政赤字は増税では解決できない、と主張
してきたが、同様な意見の論文を見かけるようになった。
以前は、第一生命経済研究所お論文を紹介したが、
http://group.dai-ichi-life.co.jp/dlri/naga/pdf/n_1004a.pdf
今回は野口悠紀雄教授が「これからの高齢化社会では、インフレに備えた資産
運用が必要になる」http://diamond.jp/articles/-/10417?page=4
という論文の中で次のように述べられている。
全く同感である。
「2010年度予算の国債発行額は44兆円である。しかし、「埋蔵金」
(特別会計の積立金など)によって賄われている部分が約10兆円
あるので、実質的な赤字は55兆円程度と見ることができる。
では、赤字削減のために、どれだけの増税が必要だろうか。
いま、EU加盟条件である「GDPの3%以内」を目安とすると、単年度
の財政赤字を15兆円程度に減額する必要がある。つまり、現在より
40兆円ほど減額する必要があるのだ。
仮にこれだけの財源を消費税の税率引き上げだけで賄うとすれば、
どれだけの税率引き上げが必要だろうか。消費税の税率1%での税収は、
約2.5兆円ある。しかし、税収の一部は地方公共団体に回ってしまうので、
国が使える分は約2兆円だ。すると、40兆円の財源調達のためには、
税率を20%ポイント引き上げて、25%にする必要がある。
なお、実際には、消費税の税率引き上げによる税収のすべてを国債減額
に用いることはできない。まず、3分の1が地方交付税交付金に回される。
また、消費税率引き上げによって物価が上昇するので、社会保障関係の支出
も増加する。こうしたことを考えると、国債を40兆円減額するために必要な
税率引き上げは、30%を超える可能性もある。
しかし、これだけの増税をしても、過去に発行された国債残高は、なんら
減ることがない。したがって、そこから発生する利払いや借り換えの必要性は、
これまでと同様に継続するのである。つまり、単年度の財政赤字は縮小するが、
ストックとしての債務問題はなんら解決されないのである。」
以上引用終わり
増税分が全て税収になってさえこれである。実際は増税で景気が悪化し税収は
増税した分ほど増えないので、国民生活は悲惨になる上に財政も改善されない。
増税による財政再建策は愚策そのものである。
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