先進国として、アメリカの重要なパートナーであった。
軍事的にはアメリカに依存していたが、その経済力は西側陣営にとって
重要であり、アメリカにとっても非常に重要なパートナーであった。
東西対立が終わった現在、アジア地域は様変わりした。韓国、台湾、中国を
はじめ、多くの国が工業化に成功し、アメリカの貿易相手という点から見ても、
日本は以前ほど重要な国ではない。
一方、アジア地域における日本の立場も微妙である。韓国や中国は日本の
経済援助や日本企業の技術援助で工業化することに成功したが、両国とも
反日的な態度を持ち続けている。
北朝鮮や中国との軋轢が生じており、これに対応するためにアメリカに頼ら
ざるをえない。
東西対立の時代では、日本を守ることは即アメリカの利益であった。アメリカと
中国の対立が決定的でない現在、日本を守り中国と対立することはアメリカの
利益になるとは限らない。
防衛をアメリカに依存しようとすれば基地を提供する以外に、多くの負担を覚悟
せざるを得ないのである。
1978年62億円の負担にすぎなかった思いやり予算が1881億円にも増加せざるを
えなかった事実がそれを裏付ける。
東アジアで日本が安定的に存在するには、近隣の諸国、特に韓国、中国と安定的な
関係を築くことが必要である。
日本がアメリカの傀儡でありつづけるかぎり、それは不可能である。常に日本の利益
よりアメリカの意向が反映するからである。
アメリカは日本は国連の常任理事国につくことには賛成しないが、インドについてはよ
ろこんで常任理事国に推薦しょうとしている。
国力からいえば日本はまだインドより上だが、アメリカにとっては日本よりインドの方が
常任りじこくんとしてふさわしいのである。
当然のことである、日本は独立した意思をもたず、自国を守る能力も無い属国である
が、インドは完全に独立した自国の意思に基づき行動できる国家だからである。
どちらが、世界をリードする常任理事国としてふさわしいか考えるまでもない。
北朝鮮がいみじくも断言しているように、日本を相手にする必要は無いのである。
アメリカが納得すれば日本は従うだけなのだから。
この状態をつづ受ける限り、対中国、韓国においても、日本は外交上対等な国家
としては扱われない。
日本がアジアの国家として、安定的な立場を築く第一歩は
国防に関するアメリカ依存からの脱却である。
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