◆経済成長の特効薬のように法人税の減税が語られているが、法人税を下
げても日本の経済成長には結びつかない。
◆法人税を下げれば経済成長にプラスになるという主張の裏にあるのは次の考
えである。
1.法人税が下がれば、企業の手元に残るキャッシュフローが増加する。企
業がその資金を研究開発や設備投資に回すことができ、その結果企業の
競争力が増し成長することで日本の景気が良くなる。
2.日本の法人税を下げることで、日本に投資する海外企業が増えて、日
本の景気が良くなる。
3.法人税を高いままにすると、企業が日本から逃げてしまう。
◆しかし、これはすべて間違いである。
1.まず、企業数の99.7%、雇用者の69.4%を占める日本の中小企業の約7割
が赤字であり、法人税の引き下げは何の影響もない。
2.黒字の企業にも効果はない。昔のように日本で生産し海外に輸出すると
いう企業行動であれば、法人税の引き下げは投資に結び付いたかもしれ
ない。しかし、今の企業行動は賃金の安い国で生産し、そこから輸出す
るか、消費地で生産するかである。日本市場の魅力が乏しいままでは、
せっかく法人税を引き下げても海外で投資されてしまい、日本の経済発
展には寄与しない。
3.日本の法人税を下げても、現在のように日本市場の魅力が乏しい状況で
は、日本に進出し投資する企業が増える可能性はない。
4.企業の海外脱出はEU域内の国で顕著だが、これは経済圏が国を超えて
成立していることがその原因である。しかし、アジア圏においては各国
の経済環境が統一されておらず、日本企業が本社を中国やその他の国に
移すことを心配する状況にない。
◆日本経済発展のために重要なのは、法人税の引き下げではなく、市場として
の日本を魅力あるものにする努力である。
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消費税等の国民負担を財源にしないのなら
下げてもいいんですよ。