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2010年07月27日

水谷研治氏のとんでもない財政再建論

水谷研治 氏の「日本財政破綻の可能性〜まだ表面化しない財政破綻と深刻な財政再建の影響:
財政危機と消費税」
http://www.epa.or.jp/esp/10s/10s02.pdfという論文を読んだが、
あまりのとんでもない内容に言葉を失ってしまう。

水谷研治氏は元東海総研の代表取締役でマスコミにもよく出ていた著名人であり、中京大学教授を経て、現在は
東京福祉大学大学院教授である。

以下に彼の考えを紹介しよう。

彼は歳入のうち地方交付税を除く23兆円を国債残高の限界と主張する。その理由は個人にとっては年収の1/3以内、
企業にとっては売上げの半分が借入金の限界だという彼の持論からである。

彼は、日本の国債残高が限界をはるかに超えている(普通国債残600兆円)にもかかわらず財政破たんが表面化
しない理由として、国内の金あまりの存在と経常収支の黒字をあげている。

しかし、彼はいずれこの状況は変化すると主張する。

景気の悪化で企業の海外生産が増加し、日本国内の空洞化がますます進展する。
国内で生産しなくなると日本製品の品質が低下し、輸出が減少し貿易収支が赤字になる。
10年ぐらうは過去の蓄積でもつが、それを使い果たした時に経済情勢が転換する。

まず、輸入代金支払いに資金需要が増加する。物不足になりインフレが進行し金利が上昇する。
やがては全部の税収でも金利の支払いに不足するようになり、財政破たんが表面化する。

そうなってしまえば対処のしようがない、として水谷教授はこう提案する。

まず、今すぐ大幅な増税と支出削減をすべきである。公務員の採用を半分にし、人件費を圧縮する
のはもちろん防衛と外交以外は社会保障も含め徹底的に削減すべきである。

次に大増税が必要として、消費税を大至急大幅に引上げなければならない、と主張する。

当然経済水準は低下するが、そんなことは重要ではないらしい。経済悪化で国民が苦しんでも政府に
それを助ける余裕は無いので、国民一人一人が自分で生き延びてほしいと彼は主張する。

国民が自己防衛で消費を減らせば、経済は悪化するが、それもやむをえないらしい。

最後に彼は主張する、景気の急落は5年間続き、経済水準は何十年も前の段階へ戻る。
但し、徹底的に改革を行えば明るさが戻り、再発展に向かい国民は希望を持つことができると。

皆さんはどう思われるだろうか、是非原本を読んで判断してほしい。

まず国の借金と企業や個人の借金は異なる。国債が国の歳入の範囲で賄えている国家が世界にどれだけ
あるだろう。

また景気の急落が5年で済むはずはない。仮に、歳出不足40兆円分をすべてカットし、プライマリーバランスを
均衡できたとし、消費税を20%引上げ財源50兆円を確保し、それをすべて国債返済にあてても5年では250兆円
しか国債残を減らすことはできない。

こんなことは不可能である。何もしなければ、経常収支が経常的に赤字になるまでの期間(10年程度余裕があると思う。)
と経常赤字になり、過去余剰資金がそこをつくまでの間(水谷氏も10年程度といっている。)
20年程度現状で維持できるものを、彼の提案通りすれば実行時点から日本経済を破壊してしまい、借金を減少できる
可能性も少ない。

水谷氏も言っているように、財政破たんが顕在化するまでには10年以上の余裕があるのだから、
こんな危険な増税策をとる前に、景気回復策をとり、企業の海外逃避を引き戻すような内需振興策を行うべきである。

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posted by ドクター国松 at 15:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 財政再建 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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