政治家は財政再建や景気回復を公約にかかげるが、こんなものは手段であり政治の目的
たりえない。政治家が本来目的とすべきなのは、国民が平和で幸せに暮らせる社会の実
現である。
しかし、多くの政治家が財政再建のためには国民はもっと痛みを分かち合うべきだと考え
ている。今国民が苦痛を我慢して財政再建しないと、将来もっと大きな苦痛を受けることに
なる、という理屈である。
これは正しい考えだろうか、もし、一、二年苦痛を我慢すれば財政再建できるというなら、
それも正しいかもしれない。仮に5年かかっても許せるかもしれない。
しかし、20年以上苦痛を耐えなければならないとすれば、それはもはや正しい選択とは
言えない。財政再建という手段そのものが目的となってしまい、国民の幸せを実現する
という本来の目的が忘れ去られてしまっている。
景気回復も同じである。景気が回復すれば国民の所得が増え、国民の幸せに寄与する。
景気回復のためには企業業績が回復する必要があり、政府はそれを支援する政策をと
るべきである。
この主張も一見正しいように思える。しかしそのために国民が大きな痛みを被るようであ
れば、これも手段そのものが目的となっているといわざるをえない。
景気回復のために、法人税引き下げの財源を国民は消費税増税という形で背負わされ、
企業のコスト削減実現のために、リストラが奨励され多くの正社員や新社会人が非正規
社員という不安定な地位に追いやられた。
また、企業の金利コスト削減のために、預金金利は低利で据え置かれ、年間30兆円以上の
国民の金利所得が企業に吸い上げられている。
このように、今の政治は国民の幸せという本来の目的を見失っている。
財政再建の必要性を否定するものではないが、少なくても5年以内で解決できる手段を
考慮すべきである。それができないなら、何十年も国民に苦痛を与えつぢ蹴るより、国を
一度破たんさせた方が短期間で問題は解決する。
また、景気回復や企業業績改善のために失業者を増やすような政策は止めるべきである。
今の日本にとって企業業績を改善することより重要なのは失業者を減らすことである。
すべての経済政策は失業者を減らすことを目的にすべきであり、それが政治が最優先で
目指すべき方向である。
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