みずほ総研が日本経済/日本の財政赤字はどこまで深刻かという論文の中で、
今後日本の成長率が高まるかかどうかにかわらず、財政再建は必要である。と
主張している。勿論ここで必要とされている財政再建は財政再建の為の増税である。
その根拠は、名目成長率3%を達成しても、長期金利が名目成長率並みに上昇すると
仮定すれば金利上昇により国債費が増加し、国債残高が成長率が1.5%の場合より
増加する、という理屈である。
この主張には増税に都合の悪いことは全て省かれている。
まず、名目成長率と長期金利の上昇が比例するか否かについては、意見の対立があり、
長期金利が名目金利並に上昇するという仮定そのものが無意味である。
仮に、その通りだとしても、成長率が上昇し長期金利が上がる情勢では個人金融資産
1400兆円の運用金利も上昇し、経済成長に伴う税収増とは別に、源泉税の収入が増加
する。
また、国債残高で問題なのは残高ではなく、GDPに対する比率である。3%成長でGDP
は年15兆円増加するが、(GDP500兆円の場合)金利上昇による利払い増は年4.5兆円
(年間発行150兆円 含む借り換え)にすぎず、GDPに対する国債に比率は減少する。
さらに、市中金利が上昇することで、既発行の国債価格は低下し、買い取りによる繰り上げ
償還を実施することで、国債残高を大きく減らすことが可能になる。
このように、経済成長が財政再建に及ぼす効果は大きいが、増税論者はこの面に目をつぶり
何がなんでも増税しかないと、国民を誘導しようとしている。
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