曰く、消費税は日本の5%はスウェーデンと比べて低すぎる。
スウェーデンでは消費税が高いが、社会保障は日本より充実している。
一方法人税は日本よりはるかに低く企業は元気だ、等々である。
そして、結論として、日本もスウェーデンのように消費税を引き上げ法人税を引き下げるべ
きだと。
しかし、スウェーデンはそんなに理想的な国だろうか。この国では確かに失業者は日本より
豊かに生活できそうである。
しかし、高い失業率は慢性的なものであり、多くの若者が仕事をもてないでいる。
内需が少ないため、スウェーデンの企業は大企業も中小企業もほとんどEU全体を市場と
しており、国内市場依存度はあまり高くない。だから、多額の税金や社会保障費で国
民が疲弊し、内需が落ち込んでも企業の業績への影響は少ない。
しかし、国内への投資需要も少なく、本社や工場をEU圏内の最もコストが安い国に置く
ため、国内での雇用が不足することになる。
一方、日本では事情が異なる。日本でも輸出企業ばかり目立つ傾向があるが、
実際は企業の売上は国内の方が圧倒的に多く、日本企業の業績の良し悪しは、
実は輸出よりも、内需の影響を大きくうけている。
韓国企業と比較し、日本企業の売上伸びが少ないのは、日本企業の方がより多くを
国内に依存しており、その国内市場が伸びていないからである。
今、日本の大企業は伸びない日本市場に見切りをつけ、生産拠点だけでなく、販売拠点
も海外市場に重点を移しつつある。
この原因を、日本の法人税が高いからだと主張するバカな意見が横行しているが、これは
無知による間違いであり、同時に意図的な誘導にすぎない。
日本の企業が、海外に拠点を移す最大の原因は、何時まで待っても日本市場の魅力が
向上しないからである。
そして、消費税の増税や社会保険の負担増は、内需を圧迫し、ますます日本市場の魅力
を低下させ、日本企業の海外進出を促進し、失業率を増加させる。
スウェーデンのような、ほとんど内需が問題にならない国のシステムを日本のように内需の
比率の高い国に適用することは、大きな過ちである。
北欧の姿は日本には適用できず、全く参考にならない。
はげみになりますので、クリックをお願いします