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2010年03月12日

法人税引き下げは無意味

  鳩山首相が今度は法人税の減税をいいだした。日本の法人税が高すぎることが景気回復
  を妨げているとの俗論に影響されてのことだろう。

  いずれにしても、この人の意見は簡単にブレすぎ、どうみても国家の指導者の器ではない。

  ところで、テレビで見る評論家達も、日本の法人税は世界各国と比べて高く、景気回復には
  引き下げが必要だと主張している。

  同じ口がまたこうも言う。日本の消費税率は世界各国と比べて低いので、引き上げる余地が
  あると。

  その時、どの国を念頭に置いているかといえば、今や世界の中心から落ちこぼれ、失業者
  大国として、衰退を続けているヨーロッパ諸国である。
  ヨーロッパのような税制にするということは、日本を活力あるアジアの国ではなく、もはや
  先の無いヨーロッパの国のようにすることである。

  また、実際法人税の減税など景気回復には何の役にもたっていない。日本での法人税率
  (国の部分)1984年の43.3%から88年42%,89年40%,90年37.5%,98年34.5%
  99年以降30%と引き下げられてきたが、日本企業が最も元気だったのは税率が40%
  を超えていた時代であり、99年に30%に引き下げられて以降、企業の業績は低迷した
  ままであり、法人税の減税は企業業績の改善とは無関係である。

  また、ある者は日本の法人税率が高いから、外国企業が日本から撤退し、日本企業が
  海外に投資すると主張するが、これは全くのウソである。

  日本から海外企業が撤退するのは、日本市場が低迷しているからであり、法人税率とは
  無関係である。日本企業が海外に投資するのも、工場としては海外の方が安くつき、市場
  としての日本に発展が無いからであり、これも法人税率とは関係がない。

  まして、中小企業は税金で悩むよりは赤字に悩んでおり、法人税率などほとんど関係ない。

  日本政府が今考えるべきは、法人税率の引き下げではなく、どうすれば内需を拡大し、
  日本企業にとっても外国企業にとっても日本市場を魅力あるものにできるかという方法
  である。

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posted by ドクター国松 at 22:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 経済成長の実現 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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