池田氏はブログの中で、長期的には、雇用(労働需要)を増やす方法は、その価格(賃金)を労働生
産性に見合う水準まで下げるしかない。と断言し、日本経済回復と雇用の増加には賃金引き下げが
唯一の方法であると主張している。
しかし、賃金をどの水準まで下げる必要があるのだろうか?
日本企業は低賃金を求め、中国からベトナム等の東南アジア諸国、さtらにはアフリカへと進出
しているが、池田氏はこれらの国と同じぐらい賃金を下げろとでもいうのだろうか。
そもそも働くのは日本人としての生活をするためであり、中国やアフリカ並の賃金しか
払えないような職場は日本人が働くべき職場とはいえない。
彼は、賃金をコストとしか見ておらず、賃金が日本の市場としての価値の源泉であることを
忘れている。
賃金を引き下げると所得が減って「有効需要」が減り、景気はかえって悪くなる、というきわめて
妥当な意見に対しては、正面からとらえることなく、賃金を下げれば雇用が増える価格効果があり、
その調整速度は財政政策による有効需要創出の効果より速いはずだ、という言葉ではぐらかして
いる。
現在の日本の不況の長期化は、有効需要の減少による市場としての日本の価値低下に起因するも
のであり、その証拠が東京自動車ショーの惨状である。
実際問題、賃金引き下げが可能だとしても、中国やアフリカ並に引き下げることは不可能であり、
外需を相手にする限り、現地で製造するコストにはかなわず、賃金を引き下げても国内の雇用
は増加しない。
国内の雇用を増やすには、国内の有効需要を拡大することが何よりも必要であり、その為には賃金
引き下げのような国民心理を委縮させるものではなく。
国民に将来への安心感を与え、財布のひもを緩める政策と、規制を緩和し、新事業の誕生を
助ける政策が効果的である。
企業、特に海外市場に軸足を置いた企業の立場だけに立ち、国民を労働者、賃金をコストとし
ての一面からしか見ない池田氏のような考え方が、日本国民と日本の未来を危うくする。
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